【特集】リアルワールド Research Memo(2):クラウドメディアとクラウドソーシングが2本柱、総会員数は国内最大級 – 株探ニュース



リアルワルド <日足> 「株探」多機能チャートより

■リアルワールド3691>の会社概要

  1. 事業内容
    事業セグメントは、「クラウド事業」と「フィンテック事業」の2 つである。主力の「クラウド事業」に属するクラウドメディアサービス及びクラウドソーシングサービスのほか、「フィンテック事業」に属するポイント交換サービス及び金融系サービスを展開している。

事業別売上構成比は、クラウドメディアが約51%、クラウドソーシングが約49%となっている(2017 年9 月期実績)※。売上単価が高く、需要が拡大しているクラウドソーシングの構成比が年々高まってきており、直近(月次ベース)ではクラウドソーシングがクラウドメディアを逆転しているようだ。

※「フィンテック事業」(ポイント交換サービス等)の売上高は小さい

(1) クラウドメディアサービス
インターネット上において、主に成果報酬型広告(アフィリエイト広告)を集約したポイントメディアの運営を行っている。会員が同社のサイトに掲載された広告を経由して顧客企業(広告主等)の商品・サービスの購入、会員登録、口座開設、資料請求、アプリダウンロード等のアクションを行うことにより、ポイントを付与するサービスである。同社の収益は、会員のアクション等に連動した成果広告報酬及びサイトに掲載する広告掲載料等となる。

a) Gendama
同社設立当初(2005 年7 月)に開設したサイト。会員が楽しみながらポイントを獲得できるように、ポイント獲得できるミニゲームの充実や、各種広告を掲載するなどポイント獲得手段の多様化を図っている。また、会員が継続的にアクションしやすいサービス及びサイト設計により、会員のポイント獲得の活性化にも注力している。

b) REALWORLD
クラウドメディアとクラウドソーシングが一体となったサービスを目指すため、2015 年10 月に「ライフマイル」を統合した新しいサイトである。毎日の暮らしを賢く、楽しく、豊かにしていくメディアコマースサービスを提供している。

c) その他
同社グループがクラウドメディアサービスの運営において培ったノウハウに基づき、他社サービスにかかる共同運営、運営受託を行っている。

(2) クラウドソーシングサービス
自社運営サイト「CROWD」を通じて、いつでもどこでも働くことのできる機会を提供するクラウドソーシングサービスを展開している。クラウドメディアとの相互作用によって積み上げた会員基盤が同サービスを支えている。顧客企業からのBPO※1等にかかる受託業務を単純化・細分化(マイクロタスク化)することにより、多数の会員が分担して作業を行う形(システム化)に仕上げ、その対価として会員にポイントを付与する仕組みとなっている。主な受託業務として、インターネットを利用した手書き書類等のデータ入力業務やSEO 事業者向けのコンテンツライティング(文書作成)業務のほか、データにかかるデータクレンジング業務※2、AI(人工知能)及びロボットの精度向上支援等も手掛けている。なお、前期(2017年9月期)からは、これまでのライティング業務から、より作業効率が高く、需要が拡大しているAI関連業務等へ注力分野をシフトしている。

※1 Business Process Outsourcing の略であり、自社の業務プロセスの一部を外部の企業に委託すること。
※2 データベースの中から誤りや重複を洗い出し、異質なデータを取り除いて整理すること。同社グループのクラウドソーシングサービスにおいては、複数のクラウド会員の目視等によって当該データベースの誤りや重複の洗い出し作業及び収集等の作業を実施している。

また、連結子会社のリアルキャリア(2016年2月設立)が運営する在宅特化型無料求人サイト「ecorista(エコリスタ)」(2016年11月リリース)※を通じて、クラウドソーシングと在宅ワークとのハイブリッド型の提案を開始したほか、2017年7月にはノーザンライツの連結化により、クラウドソーシングとの補完関係にあるBPO領域にも参入した。すなわち、クラウドソーシングだけでなく、在宅ワーク(契約社員・業務委託)及びBPO(正社員)を加えたことにより、ライフスタイルに合わせた多様な働き方(雇用形態)を支援する独自の「ワークエコシステム」の確立に向けて前進するとともに、顧客企業に対しては包括的な業務支援が可能な体制を整えた。したがって、実態としてはクラウドソーシングを超えた事業モデルへと進化している。

※国内初となる在宅ワークに特化した求人サイト。企業は同社の会員基盤を活用することにより、個人契約での業務委託や派遣など在宅型での多様な労働力を確保できる。

加えて、連結子会社の(株)マークアイ(2014年12月に連結化)が展開する「知的財産に関する総合コンサルティング事業」も含まれている。知的財産権管理の周辺分野では機密性の観点から労働集約的な業務が多く存在しており、同社のクラウドソーシングとの親和性が高いと考えられ、両社のリソースを掛け合わせることで、この分野への進出を図るところに主な狙いがある。

(3) フィンテック(ポイント交換サービス)
クラウドメディア及びクラウドソーシングにおいて会員に付与されるポイントの交換サービスを提供している。ポイント交換サービス「PointExchange」を通じて、会員が同社グループの運営する複数のサービス上で獲得したポイント及び提携企業等のサービスにかかる各種ポイントの交換サービスを行っている。会員は、保有するポイントを、現金、電子マネー(「WebMoney」「Edy」等)、仮想通貨等への交換が可能となる。また、2015年12月からはビットコインへの交換を開始すると、2016 年5 月には「ポイント利息」付与サービスを導入した。2017年10月にはTORANOTEC(株)※が運営する「おつりで投資サービス(トラノコ)」との連携により、同社のポイントで少額投資が可能となるサービスを開始するなど、サービス充実にも取り組んでいる。ポイントを交換する際の手数料が同社の収益源であるが、本サービスについては単独での業績寄与を追求するよりも、主力サービスを支えるプラットフォームとしての役割を担っており、提携先の拡充やポイントを一元管理できる「ポイント通帳」の普及など、会員の利便性を重視した施策を講じてきた。今後は、FinTech分野(マイクロファイナンスなど)への展開も推進していく。

※TORANOTECは、「すべての人を投資家に」をモットーに、高度な金融工学とテクノロジーを融合させ、まったく新しい資産運用ビジネスの構築を掲げて創設したフィンテック会社である。

  1. ノーザンライツの連結化によりBPO領域へ参入
    2017年7月に、インターネットBPO企業であるノーザンライツを連結子会社化(発行済株数の66.7を取得)※することにより、クラウドソーシングとの補完関係にあるBPO領域へ参入した。ノーザンライツは、青森県八戸市にBPO拠点(約80名体制)を有し、大手インターネットリサーチ会社や大手インターネット広告会社の運用及び業務支援のBPO事業を展開している。本件により以下のようなメリットが期待できる。

※取得価額は210百万円(のれんは180百万円で10年償却)。

(1) 営業活動の受注効率化
クラウドソーシングだけでは受注できなかった案件でも、BPO拠点の活用により受注が可能となった。すなわち、従来は、顧客企業から業務プロセスの一部をクラウドソーシングに発注してもらっていたが、顧客企業にとって発注の際の手間が残ることや、機密性の観点から受注できないものもあった。BPO拠点を持つことで顧客企業は全業務プロセスを一括で発注することが可能となり、同社にとっても受注効率を高めることが可能となる。

(2) BPOとクラウドソーシングの融合による生産性向上
BPO業務からの視点に立っても、BPOによって機密性を担保しつつ、場所・時間を問わない業務はクラウドソーシング化することで生産性と利益の最大化を実現することができる。

(3) クラウドディレクターやクラウドワーカーの育成・拡大
既存のBPO拠点や新たに開設する拠点において、ノーザンライツの採用・育成ノウハウを最大限に活用することにより、同社の成長を支えるクラウドディレクターやクラウドワーカーの育成・拡大を図ることができる。

  1. グループ経営体制への移行
    同社は、2018年9月期より、事業スピードの促進と収益意識改革による企業力の向上を図るため、グループ経営体制(ただし、純粋持株会社制ではない)へと移行した。クラウドソーシングの事業運営をノーザンライツに統合したほか、クラウドメディアについても、本体から切り離し別会社化(新会社「リアルX」の設立)する準備を進めている(2018年9月期第2四半期をめど)。特に、前者については、ノーザンライツとのシナジー(クラウドソーシングとBPOの融合等)の早期実現に狙いがあると考えられる。また、後者については、外部環境が大きく変化(広告掲載条件の変更等)するなかで、1,000万人を超える会員基盤を活用した新たな展開を視野に入れ、事業提携やアライアンスの強化、新たなポイントビジネスの発掘や利益最大化、意思決定スピードの向上、機動的な事業推進・事業投資などが目的となっているようだ。したがって、環境変化に対応するとともに、今後の成長加速に向けて新たなステージへと踏み出したものと捉えることができる。
  2. 沿革
    同社は、現代表取締役社長である菊池誠晃(きくちまさあき)氏により、クラウドメディアである「Gendama」の事業展開を目的として2005年7月に設立された。2006年7月にはポイント交換を主目的とした(株)ポイントスタイルを設立(2011年11月に吸収合併)。さらに、2008年12月に作業をこなして貯める、クラウドソーシングサービス「CROWD」を開始し、事業基盤を拡大。2011年4月にはサイバーエージェント<4751>から「ライフマイル」を事業譲受し、買物をしてポイントを貯めるクラウドメディアサービス「ライフマイル」を開始し、現在の事業基盤が整った。

アジア地域における市場調査及びクラウド事業展開をにらみ2011年12月にシンガポール、2012年7月にインドネシアへそれぞれ子会社を設立した。一方、国内では、2014年12月に知的財産に関する総合コンサルティング事業を行うマークアイを連結子会社化。クラウドソーシングの事業基盤の強化・拡大を狙った動きを加速している。

また、2016 年2 月には、クラウドソーシングに限らず、派遣、住宅ワークなど、様々なライフイベント(結婚・妊娠・出産・子育てなど)に対して多様な働き方を支援する「ワークエコシステム」の確立を目的として、(株)リアルキャリアを設立すると、同年4月には、注目されるFinTech分野への参入を視野に入れ、ブロックチェーン・テクノロジー等の新技術の調査・研究・サービス展開への実証、クラウドファンディング、金融及び事業投資を目的として(株)REAL FINTECHも設立した。

さらに2017年7月には、ノーザンライツを連結子会社化して、BPO領域へも参入。在宅ワークの本格スタートとともに、「ワークエコシステム」の確立に向けて大きく前進した。

2018年9月期からは、事業スピードの促進と収益意識改革による企業力の向上を目的として、グループ経営体制へと移行した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《MW》

 提供:フィスコ



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