Facebook「Watch」の戦略に変化:予算拡大、番組数削減 – DIGIDAY[日本版]



Facebookが動画視聴セクション「Watch(ウォッチ)」の各番組に使う予算を拡大している反面、コンテンツパートナーとの契約総数を縮小している。これにより、資金を出す番組の独占期間の拡大も狙っている。

Facebookは、テレビ的な動画ブログラムをプラットフォームにもっと持ちこむ取り組みとして、8月にWatchをローンチした。ニュースフィードに適した60秒から90秒の短いクリップではなく、Watchにはもっと長い素材を求めており、そこにかける資金の用意はある。Watchの第1弾の「スポットライト」(短編)番組は、全部で何百本もつくられ、1エピソードあたりの予算はだいたい1万~4万ドル(約110万〜440万円)だった。また「ヒーロー」番組(テレビの長さのオリジナルシリーズ)については、情報筋によるとFacebookはエピソードあたり25万~100万ドル(約2800万〜1億1000万円)超を出す用意だった。

Facebookによる「スポットライト」と「ヒーロー」の番組ラベルは、もうオリジナルコンテンツパートナーとの話し合いでは使われておらず、複数の情報筋によると、Facebookは現在、個々の短編シリーズに割り当てる金額を以前の2~3倍に増やしているという。Facebookによるオリジナルシリーズ第1弾からの更新など、番組を最近Facebookに売った3人の情報筋によると、Facebookは現在、短編プログラムについては1エピソードあたり5万~7万ドル(約560万〜780万円)を払っている。

予算拡大、番組数削減

また、その話し合いのなかで、Facebookのオリジナルコンテンツチームはメディアパートナーたちに、購入する番組数を減らしながら、番組あたりの支出を増やすつもりだと語ったという。情報筋のひとりはこれを「予算拡大、番組数削減」のアプローチだとした。全体では、2018年を通じてFacebookは最大10億ドル(約1100億円)をコンテンツに使う用意をしている。以前のウォールストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)の報道によると、これにはスポーツ中継の契約が含まれるかもしれない。

「オリジナルコンテンツが欲しい場合に多くのデジタルプラットフォームがやることを、ようやく腰を上げて行ったわけだ」と、Watchのオリジナルコンテンツパートナーは語る。「さまざまな種類のコンテンツ企業と多岐にわたる契約を大量に行い、プラットフォームを動画で満たした」。

もうひとりのWatchのオリジナルコンテンツパートナーは、「Watchを検討するプロデューサーとパブリッシャーを増やした」と補足した。「トップパブリッシャーの10番組にしかゴーサインがでなければ、それは、たくさんのトラフィックを導くことはできるだろうが、いまのようにハリウッドで話題に上ることはないだろう。取り組んでいるパートナーが増えたことで、いまではアイデアをFacebookに持っていくようにクライアントに言うハリウッドのエージェントも出てきている」。

「コミュニティを構築したい」

Facebookは現在、再訪視聴者を集めている番組の更新と、ニュースフィードの動画よりもYouTubeやテレビのものにイメージが近い、新しいプロジェクトに力を入れている。

Facebookのメディアパートナーシップ担当VPのニック・グルディン氏は、声明で次のように述べる。「Watchの立ち上げ以降、多くのことを学んだ。パートナーと密接に連携し、コンバージョンを促進する魅力的な筋書きとキャラクターで、番組を中心に強力なコミュニティを構築したい。現在はさまざまなフォーマットを試すことをパートナーに勧めており、我々が資金を出している一部番組が、このタイプのストーリー作りの指針となる実例になっている」。

提供番組のシリーズがFacebookに更新された、先述の2番目のWatchパートナーによると、Facebookには内部の再訪視聴者指標があり、番組の成功の評価にこれを使っている。このパートナーによると、オーディエンス全体の10%以上がすべてエピソードを視聴していれば、Facebookがその番組は成功だと考え、シリーズを更新してシーズンを追加する確率は高くなる。Facebookはこれまでに、「リターニング・ザ・フォーエバー(Returning the Favor)」「ボール・イン・ザ・ファミリー(Ball in the Family)」「ルーズリー・エグザクトリー・ニコル(Loosely Exactly Nicole)」 およびリファイナリー29(Refinery29)による「ストレンジャーズ(Strangers)」の4本を更新したことを認めている。

「求めているのはより洗練された、価値の高いコンテンツ、すなわち、よりお金のかかるコンテンツだ。我々から購入したものに基づいた、Facebookタイプのフォーマットではない、テレビに似たフォーマットの見た目と雰囲気を備えたコンテンツだ」と、3番目のWatchパートナーは語った。

独占期間の延長も狙い

Facebookはまた、エピソードの時間を延ばすようにパートナーに働きかけており、当然、予算はより必要になる。

「Facebookからの連絡に、番組は素晴らしいが、エピソードの時間は7分ではなく20分にもできたのではないかというものがあった」と、2番目のWatchパートナー。「可能だが、そうするとコストが増えると伝えた」。

情報筋によると、Facebookは番組にかける金額を増やす意向で、さらに独占期間の延長も求めている。以前は、Facebookが注文した「スポットライト」番組は、Facebookの独占期間が約2週間で、それを過ぎると、コンテンツパートナーは番組をよそに配信してお金を稼ぐことができた。この期間はプロジェクトによって異なるが、情報筋たちによると、Facebookは現在、自社が資金を出す番組については3カ月~1年を独占期間にすることを求めている。

「これは交渉可能な話で、予算に組み込むことになる」と、3番目のWatchパートナー。「コンテンツを離さない期間を延ばしたいのならば、必要なお金が増える。数学の問題だ」。

コンテンツも所有したい

Facebookはまた、完全に所有できるテレビサイズの長い番組を増やしたいと考えている。コンテンツパートナーが、要するに雇われた制作会社として働き、作ったコンテンツの権利を一切もたない契約だ。情報筋たちによると、Facebookはここでも、1エピソードに数十万ドル(数千万円)以上をかける計画でいる(「ハリウッド・リポーター[The Hollywood Reporter]」は以前、コンテンツパートナーはFacebookが予算の大きいプロジェクトにさらに力を入れることを期待していると報じていた)。

「簡単なことだ。放映料を主張できる(テレビ番組の)巨大なライブラリーを構築しようというわけではない」と、最初のWatchパートナー。「お金とリソースをつぎ込んだ巨大資産の権利問題を処理する必要はなく、その分、簡単になる」。

Sahil Patel (原文 / 訳:ガリレオ)



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