GoogleがVRアプリ開発に使えるコード集「Daydream Elements」を発表 – VR Inside

     

GoogleによるVRコード集

GoogleによるVRコード集

VRコンテンツの開発では、一般的な2Dのアプリケーションやゲームにはないテクニックが使われる。ただプレイヤーキャラクターを移動させるだけでも、VR酔いを防ぐための視点移動テクニックが存在するからだ。

特に初めてVRコンテンツを作ろうとすると、「どういった設計にすれば優れたユーザエクスペリエンスを提供できるのか分からない」「機能として組み込む方法が分からない」といったことになりがちだ。

Googleが2017年のGoogle I/Oで発表した「Daydream Elements」は、そうしたデベロッパーの悩みに応えるコード集だ。VRアプリでよく使われる移動や回転といった動作を作るときに盛り込むべきデザインのアイデアを学ぶことも、コードをそのまま利用することもできる。

視点の移動

2Dゲームでも、ゲーム内容や体調によっては乗り物酔いのような気分の悪さを経験してしまうプレイヤーがいる。プレイヤーの身体感覚と視覚から入ってくる情報のズレが原因と言われるこの症状は、没入感の高いVRゲームではより頻繁に起きる。

Daydream Elementsには、キャラクターの移動やカメラの移動を表現するときにVR酔いを防止するためのテクニックも盛り込まれている。

テレポート移動

表現の種類として移動できないVRゲームもあるが、やはり多くのユーザが望むのは広いVR空間を自分の意思で移動できる自由度の高い作品だろう。テレポートによる移動は、長い距離を一瞬で移動できる方法としてVRゲームでしばしば採用されている。

Daydream Elementsに収録されたコードでは、Daydreamコントローラーをテレポートの制御に使用する。タッチパッドによってテレポート先を指定すると、画面上に光でターゲットが表示される。行き先を確認してボタンを押すと、実際にその場所まで移動が行われる。

いきなりテレポートしてしまうと自分が居る場所が分からなくなるという欠点があるが、Daydream Elementsでは移動時にワープのエフェクトを付けることでそれを防いでいる。エフェクトによってプレイヤーが自分の位置や方向を見失うことを避けられるだけでなく、VR酔いを防ぐ効果もある。

トンネリング

トンネリングは、Googleの人気VRアプリ『Earth VR』でも採用されている方法だ。

リビングのテレビでゲームをするときには酔わないのにVRゲームで気分が悪くなるというプレイヤーは、リビングにあるもの(家具や観葉植物)を自分の位置を認識する手がかりにしているのかもしれない。自分が移動しているのではなく、テレビに映る映像が変化しているだけだと脳に感じさせるために周囲にあるものを使っているのだ。

トンネリングテクニックを使うと、VRでも同様の効果を起こすことが期待できる。コードでは、視点の移動や回転のときに視野の周辺部を隠してグリッドが表示される。

カメラ制御

一人称視点のVRゲームではプレイヤーキャラクターの動きがそのままカメラの動きとなるが、三人称視点の作品ではカメラが自動的にキャラクターを追尾することが多い。カメラの動き方によっては、プレイヤーが不快に感じる可能性がある。

Daydream Elementsのコードでは、そうした不快感を避けるためにカメラの動きが調整されているという。さらに、トンネリングとの組み合わせも行われている。

カメラを回転させたときにトンネリングを行うと酔いを予防できるが、視野が狭くなるとキャラクターを見失ってしまう可能性がある。そこで、キャラクターはトンネリングの対象にならないようにしているのだ。

背景はグリッドによって隠されるが、キャラクターはそのまま表示される。

メニューシステム

メニューを表示する

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Daydream Elementsに収録されているVRアプリケーションの要素は、VR酔いを防ぐものばかりではない。アプリ内で利用できるメニューのアイデアもある。

クリックメニュー

Daydreamコントローラーが誰にとっても使いやすいものになっているのはそのシンプルさゆえだが、アプリケーションの種類によっては多くの項目を持つメニューを利用したいこともある。

クリックメニューの例では、画面内に表示されるメニューをタッチパッドの操作とクリックで選択することにより、様々な描画ツールにアクセスできる。ボタン数の少ないリモコンを使うからこそ、ユーザにとって使いやすいメニューが必要だ。

スワイプによる操作

急いで操作する必要のないVRアートアプリでは、クリックメニューを開いてゆっくり色やブラシの種類を選ぶことができる。しかし、テンポの速いゲームアプリではメニューを開くのが煩わしいと感じることもあるだろう。

アクション性のあるゲームで回復アイテムを使うときにもたついていたら、回復する前に倒されてしまうかもしれない。メニュー画面を開く度にポーズされるシステムならば慌てる必要はないが、今度は戦闘のテンポが悪くなってしまう。

Daydream Elementsでは、上下左右へのスワイプによってそれぞれ異なる動作を選択できるコードを見ることができる。RPGのクイックアイテムスロットや、武器切り替えなどに利用できるだろう。

GoogleのDaydream Elementsには、再利用可能なコードが収録されている。ここに集められたコードを使えば、初めてVRコンテンツを開発するデベロッパーでも酔いにくく、楽しいVRコンテンツを作ることができるだろう。

まだ数が少ないが、今後もコードの種類は増えていく予定だ。

参照元サイト名:Google Blog
URL:https://www.blog.google/products/google-vr/daydream-elements-foundational-vr-design/

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ohiwa

Writer: ライター兼システムエンジニア。VR・ARには、「SFっぽい!」というシンプルな理由で興味を持つ。仕事以外ではボードゲームやTRPGで遊び、本を読んで花を育てるアナログ人間。万年筆と着物・和菓子が好き。

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