AWSのJassy CEOも登場して密な関係を強調–VMWorld 2017開幕



 VMwareは米国時間の8月28日、年次イベント「VMworld 2017」を開幕した。最高経営責任者(CEO)、Pat Gelsinger氏の基調講演のメインとなったのは2016年秋に発表したAmazon Web Services(AWS)との提携で、「VMware Cloud on AWS」の提供開始を発表した。

 AWSの最高経営責任者(CEO)、Andy Jassy氏も登壇し「プライベートクラウドとパブリッククラウドの各リーダーが協業し、両方を簡単に使えるようにする」とアピールした。

VMwareのCEO、Pat Gelsinger氏(左)とAWSのCEO、Andy Jassy氏
VMwareのCEO、Pat Gelsinger氏(左)とAWSのCEO、Andy Jassy氏

 14回目となるイベントのテーマは”I AM”。2万3000人が登録、220社が出展するなど過去最大のイベントとなった。VMwareは昨年のVMworldで”クロスクラウド”としてクラウドのビジョンを打ち出しており、それを実現する製品やサービスを発表した。

 VMwareは“Any Device、Any Application、Any Cloud”戦略を掲げており、この日の基調講演の中心はAny Cloudとなった。Gelsinger氏は前職のIntel時代に、VMwareの創業者よりESX技術を見せてもらった時の驚きを、”ぶっ飛ぶような”と形容しながら、サーバ仮想化でスタートしたVMwareが、データセンター全体を仮想化し、現在はクラウドで”Any Cloud”を実現する、と流れを説明した。

VMwareはAny Device、Any Application、Any Cloud戦略を掲げる
VMwareはAny Device、Any Application、Any Cloud戦略を掲げる

 プライベートクラウドでは、vSphereを中心にvSAN(ストレージ仮想化)、NSX(ネットワーク仮想化)、管理のvCenterなどをバンドルした「VMware Cloud Foundation」を用意している。「プライベートクラウドを簡単に管理し、セキュアにできる」とGelsinger氏は説明する。

 VMworldでは最新版として「VMware Cloud Foundation 2.2」を発表したほか、最新版を活用したVxRackとVxRailがDell EMCより発表された。VxRailは「Dell EMCにとってナンバーワンのハイパーコンバージドインフラアプライアンスになっている」とGelsinger氏は言う。

 なおvSANについては顧客数が1万に達したことも報告。「毎週数百の顧客を獲得している」という。サーバパートナーは12社に、OEMパートナーは2社になるなどエコシステムも拡大しており、「(PowerEdge)14世代とIntelの最新のスケーラブルサーバチップのキラー技術」と業界での評価を強調した。

 vSphereについても、バックアップ統合、ログの洞察などを強化したと言うバージョン6.5を発表した。

 パブリッククラウドではAWSとの提携がメインとなる。2016年10月に市場を驚かせた提携発表の後、2社から数百人のエンジニアが共同作業して実現したのが「VMware Cloud on AWS」だ(なおVMwareは4月、自社のパブリッククラウドサービス「vCloud Air」売却を発表している)。Gelsinger氏は「約束を実現する」と述べ、提供開始を発表した。そして、AWSのJassy氏をステージに招くと、会場からは大きな拍手が起こった。

 VMware Cloud on AWSはAWS上でVMware Cloud Foundationが動くサーバをホスティングするもので、VMwareのソフトウェア定義データセンター(SDDC)の機能を利用できる。使い慣れたVMwareのツールやスキルをそのまま利用してプライベートクラウドとパブリッククラウド環境を管理できる。

 「究極のハイブリッドソリューションだ」とGelsinger氏が言うと、Jassy氏は「メインストリームのエンタープライズ顧客がパブリッククラウド戦略を展開し始めている」と流れを説明する。

 これらエンタープライズ顧客のほとんどがVMwareで仮想化された環境を持っているが、AWSとシームレスに統合されていないために「AWSでクラウドに移行し(vCenterなどの)VMwareツールが使えなくなる、またはVMwareツールを使い続けるがAWSを使いづらいかのどちらかを選択しなければならなかった」とJassy氏。「VMware Cloud on AWSにより、自分たちのオンプレのデータセンターをAWSと一緒に動かすことができると好評価をもらっている」と報告する。

 既に早期顧客も多数おり、格付けのMoody’sはクラウドのマイグレーションにあたっての課題をVMware Cloud on AWSにより解決できたと言う。「ITとビジネスにとって、影響を最小に抑えながら、アプリケーションをリファクタリングすることなくクラウドへのパスを用意する」とJassy氏。



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