格闘ゲームの“古豪”復活へ SNKが増収増益




 人気格闘ゲームシリーズを手掛けるSNK(大阪府吹田市)が11月14日、官報に掲載した決算公告(16年8月〜17年7月期)によれば、売上高は42億8100万円(前年同期は32億300万円)、経常利益は19億8600万円(同13億1700万円)と増収増益だった。

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 当期純利益は31億500万円(同5億5800万円の赤字)、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は18億2900万円(同12億7600万円の赤字)。

 SNKは1978年の創業。90年代に『THE KING OF FIGHTERS(KOF)』『餓狼伝説』『サムライスピリッツ』などの格闘ゲームシリーズを次々と世に送り出し、業務用・家庭用兼用のプラットフォーム『ネオジオ』も展開。驚異的な売上を記録したが、格闘ゲームブームが沈静化し、多角経営の失敗も相まって、01年にゲーム開発会社としては最大級の380億円の負債額を計上、倒産した。

 倒産後は、系列会社だったプレイモアがIP(知的財産)を落札して、SNKプレイモアとして再生した。だが以前のようなゲーム会社としての存在感は薄く、IPを活用して2004年にはパチスロ事業に参入。第1弾の『メタルスラッグ』に始まり『餓狼伝説』『KOF』といった看板タイトルをパチスロ機として投入していた。

 しかし15年8月に中国のゲーム会社、37Gamesが約80億円で買収し、状況が一変。パチスロ事業から撤退し、ゲーム事業とライセンス事業に集中する方針を発表した。16年8月には、6年ぶりの新作タイトル『THE KING OF FIGHTERS XIV』をリリース。12月に社名をSNKに戻し、ゲーム会社として復活する考えを打ち出している。

ここがポイント

 今回の決算では大幅な増収増益を記録したSNK。利益剰余金も黒字化し、いよいよ復活という感じでしょうか。とはいえ、決算数字の中では利益率の高さが目を引くので、親会社である37Gamesの『拳皇』(=KOF)をはじめ『餓狼伝説』『メタルスラッグ』といった人気シリーズのIPライセンス提供が好調なのかもしれません。

photo「THE KING OF FIGHTERS」など人気IPを抱える(SNKの公式サイトより)

 買収の契機にもなった『拳皇』シリーズは、旧SNK全盛期の『KOF’97』や『KOF’98』の人気が高く、中国を中心としたアジアで「e-Sports」の大会も盛んに行われています。その理由は、中国の田舎のゲームセンターでは、小規模ロケーションに適したネオジオ時代の旧作が旧SNK倒産後も長期にわたって稼働されていたため――というのが面白いところです。

 ただ、バンダイナムコエンターテインメントの『鉄拳7』にKOFの人気キャラ「ギース」がゲスト参戦したり、ダイドードリンコの自動販売機とコラボしたりと、積極的なIP活用が目立つ一方、ライセンスを受けた中国企業のゲーム運営体制が問題になったりもしているので、今後はそうした運用が課題になるかもしれません。

 とはいえ、買収後は6年ぶりにリリースした『THE KING OF FIGHTERS XIV』の開発時に旧SNKの開発者を呼び戻すなど、開発体制を強化しているようです。旧SNK全盛期を体験した筆者としては、ゲーム事業でも本格的な古豪復活を果たしてほしいところです。



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《著者紹介》

平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。


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