「小学生でもわかる本」がシニアには無理、82歳アプリ開発者が語る現実(80歳からのプログラミング)



前回から続く)

 「先に『アプリを作るわよ』と周りに言っちゃったから後に引けなくなりました」。82歳のアプリ開発者である若宮正子さんは、iPhoneアプリ「hinadan」を開発し始めたときのことをこう語った。2017年10月26日に東京で開催されたイベント「シニアプログラミングネットワークが目指す!人生100年時代の地域/世代間交流」でのことだ。

発表する若宮さん

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 若宮さんは、2017年6月に開催された開発者向けカンファレンス「WWDC 2017」にも参加。米アップルのティム・クックCEO(Chief Executive Officer)に最年長参加者として紹介された。最近はテレビ番組で紹介されることも多く、このイベントでは「店で値切ろうとしたら『あなたテレビに出てたわね』と言われて、なんとなく値切りにくくなりました」と笑いを誘っていた。

 最近は「プログラムを作るってどういうことですか」と質問されることが多いという。そんなときは、プログラミングを料理に例える。「料理だったら、レシピサイトに料理の写真が載っていて、必要な材料、調理の目的や大切なこと、最後に調理手順がある。プログラムも同じ」(若宮さん)。

 例えば、若宮さんが作ったhinadanだと、大切なのは「シニアが楽しめること」。材料はおひな様の絵や台紙の絵、「ポン」「ビー」といった効果音、「ようおできしゃった」というナレーションなどだ。若宮さんはこれらをナスやしょうゆと同じだという。

 ただ一つ違うのは、「料理のレシピは読めばわかるが、プログラミングには人間の言葉が使えない」(若宮さん)ということ。コンピュータにわかる言葉にしなければならない。「偉い先生の話だと、人工知能がどんどん進化して、やりたいことを口で言えばプログラミングしてくれる時代が来るそうです。でも当面は、プログラミングというややこしいものを勉強しなければなりません」(若宮さん)。

手順の記述には人間の言葉を使えない

(出所:若宮さんの発表スライド)

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 ではどうやってプログラミングを勉強するか。若宮さんは「お茶だって表千家、裏千家、武者小路千家ってありますよね。プログラミングにもいろいろ流派があります」と語り、ビジュアルプログラミング環境の「Scratch」、電子工作系の「IchigoJam」などの例を挙げた。



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