バンドを替えれば腕時計がスマートウォッチに、ソニー「wena wrist」は成功するか(佐野正弘が斬る!ニュースなアプリの裏側)



 ソニーは2017年7月3日、新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」から生まれた「wena wrist(ウェナ リスト)」の新製品として、電子マネー機能を搭載した腕時計用レザーバンド「wena wrist leather」を12月下旬に発売すると発表した。ヘッドではなくバンドでスマートウォッチ化を実現するwena wrist leatherには新しい可能性を感じる一方で、スマートウォッチの進化としては大きな課題もあるように見える。

バンド部分にスマートウォッチ機能を搭載

 かつてポストスマートフォンの最有力候補として注目されたスマートウォッチ。その後IoTやAIなど新しいテクノロジーに注目が集まるようになったことで、注目度はかつてほど大きくなくなっているものの、継続的に取り組んでいる企業は多く存在しており、現在も多くの新商品が生まれている。

 ソニーもスマートウォッチの開発を手掛ける企業の1つだ。Android Wear搭載スマートウォッチに関しては「SmartWatch3 SWR50」以降新機種を投入していないものの、新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program 」から生まれたスマートウォッチ「wena wrist」に関しては、現在も取り組みを続けている。

 従来のwena wristは、ヘッド部分とバンド部分が独立しており、バンドの部分にスマートフォンと連携する機能が備わっているというもの。ヘッド部分は従来のアナログの腕時計と同じながら、バンド部分のLEDが光ってスマートフォンの新着メールなどの通知をしたり、歩数や消費カロリーなどを測定したり、iOSに限定されるがFeliCaによる電子マネー機能が利用できたりするなど、スマートウォッチとしての機能を実現できる点が高く評価され、人気を獲得している。

バンド単体で販売、ヘッド部は別売りに

 そしてソニーは2017年7月3日、wena wristシリーズの新モデルとなる「wena wrist leather」を12月に発売すると発表した。これは初代のwena wristとは異なり、スマートウォッチとしての機能を備えたバンド部分のみを提供するもの。価格は8380円と安価で、FeliCaを内蔵し楽天Edyによる決済が利用できるが、wena wristが備えるスマートフォンとの連携機能を持たないなど、機能は制限されている。

wena wristシリーズの新製品「wena wrist leather」。バンドのみを提供し、好みの腕時計のヘッドに着けて利用する。写真は7月3日のwena wrist新商品説明会より(筆者撮影)

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 ちなみにwena wrist leatherの発表と同時に、wena wristのバンド部分も単品で販売すると発表した。こちらは価格が3万3880円からとなり、wena wristと同等の機能が備わっているとのことだ。

 wena wrist leatherは、名前の通りレザー素材を活用しており、よく見るとFeliCaのマークが用意されているものの、見た目は完全に一般的な腕時計のバンドである。スマートウォッチらしい先進性を打ち出すよりも、ヘッドに一般的な腕時計のヘッドを用いることで、腕時計として違和感のないデザインを実現できることに配慮した内容となっている。

 スマートフォンとの連携機能を外したのも、腕時計として違和感のないバンドを実現する狙いが大きかったようだ。ソニーの新規事業創出部 wena事業部 統括課長の對馬哲平氏によると、wena wrist leatherはあえてバッテリーを搭載せず、FeliCaのみに機能を絞り、面倒な設定不要で手軽に利用できることを重視したと説明。搭載するFeliCaチップも、18mmの細いバンドの中に組み込むことができ、なおかつ通信特性が変化しにくい特別設計のものを用意したとしている。



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