新しいことができる企業かどうかを見分ける13の質問

 新しいことができる企業かどうか、もし見分けられたら、それなりに有意義である。自分の勤務先が新しいことを成功できだそうだと分かれば一安心と言える。取引先、投資先、友人知人家族の勤務先がどうなのか、それも気になる。

 新しいこととは何か。すぐ思い浮かぶのは新規事業や新製品の創出である。組織の見直しや工法の改良によって既存の事業や製品の魅力を増し、売り上げを維持することも含めたい。

 「新しいことができる企業かどうか」を見分ける一つの方法として、13の質問を紹介する。出所はジェフリー・ムーア氏の著書『ゾーンマネジメント 破壊的変化の中で生き残る策と手順』である。

 ムーア氏は100万部以上売れた『キャズム』の著者で、テクノロジーが企業に与える影響と、企業がとるべき戦略について著述と講演を続けており、新興企業と大企業の双方に助言している。SOR(システム・オブ・レコード)、SOE(システム・オブ・エンゲージメント)という言葉の発案者でもある。

 『ゾーンマネジメント』は新しいことを成功させる手順を述べた本だ。ムーア氏は各章に「よくあるミスと修正法」という一節を加え、企業がしやすい間違いを列挙している。縁があって同書の編集者を務め、「よくあるミス」を読んでいると、これまで見聞きした様々な企業の実例が頭に浮かんできた。「よくあるミス」をはじめ、刺激を受けた記述から13項目を選んでみた。13のミスをしていないかどうか、考えてみると新しいことができるか否かが分かるはずだ。

「1.中核の事業モデルを無理に変えようとする」

 同書で最も印象に残った下りから紹介したい。「経営の常識に関する重要な秘密を教えよう。それは『地位を確立した既存企業はコアのビジネスモデルを変えられない』というものだ。自社全体に破壊的変化をもたらせばよいという提言はすべてたわごとだ。それは実現不可能である」。

 ムーア氏はコンサルティング活動もしているが「コンサルタントが『あなたの会社を破壊的に変革すべきだ』と提言してきたときは追い返したほうがよい」と言い切っている。

 既存の事業モデルを変えられないなら何もしなくてよいのかというともちろん違う。「次から次へと登場する次世代テクノロジーの波がビジネスの地平を継続的に変化させている」とムーア氏はみており、「地位を確立した企業にとって二つの緊急課題が生じる」と指摘する。

 課題の一つは「自社が破壊的変化を起こしたいと考えている市場、つまり攻撃側でありたい市場で次の波を捕まえる」こと。もう一つは「自社が既得権を得ており他社からの破壊的変化にさらされている市場で防御側として動き、次の波が自社を捕まえるのを防ぐ」ことである。

 二つの課題を達成することと、既存の事業モデルを根本から変えることは異なる。無理に変えようとしても「社内システム、顧客との関係、企業文化、サプライチェーン・プロセス、パートナーのエコシステム、そして投資家からの期待による慣性力はあまりにも大きい。これらをすべて取り払ってしまえば、再活用できるものは残っていないだろう。重要な経営資源を無にしてしまっただけの結果になる」。

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