プログラミング教育、親が知っておくべき7つの基本(BUSINESS INSIDER JAPAN)

2020年に小学校でプログラミング教育の必修化が決まり、子ども向けのプログラミング教室が急増している。何もしないのは不安だが、かといって何をどのようにすればいいか分からないという親も多いのではないだろうか。筆者もその1人で、体験教室や1日講座に子どもを何度か参加させたものの、何を学んだのか、今後どうすればいいのかよく分からないままだった。

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そこで、エンジニアで、機械学習(AI)サービスを提供するIT企業グルーヴノーツ(福岡市)の会長を務める佐々木久美子さんに、プログラミング教室が一般的に教えている内容や、子どもに適した教室の選び方などを聞いた。

2015年にGoogleのグローバルパートナーにノミネートされた世界7社のうちの一社でもあるグルーヴノーツは、自社内でテクノロジー教育を盛り込んだ学童保育「TECH PARK(テックパーク)」を運営しており、佐々木さん自身にも小学4年生の子どもがいる。今回は、「素人保護者の7つの質問」にママ友目線で答えてもらった。

Q1:小学校でプログラミング教育が必修化されるそうですが、具体的にはどうなるのですか。

文部科学省が公表したガイドラインによると、「プログラミング教育」を教科化するのではなく、音楽や算数など既存教科の中で、プログラミング教育を取り入れていく方向です。実際に何を、どのように、どのくらいの時間教えるかについては、各学校が判断することになっています。そして「プログラミング教育」の目的は、プログラマーを育成することではなく、物事を論理的に学ぶ「プログラミング思考」を身に着けることです。

IT業界には、生産性を上げるためのフレームワークや手法がたくさんあり、それらを組み合わせて、決まった予算、期限の範囲でシステムを作ります。また、コンピューターに正しい指示を与えないとプログラムは動きません。システムを作るためには、知識を組み合わせ論理的に考える力が必要で、それが「プログラミング思考」と表現されています。

テックパークを含めて大半のプログラミング教室が教えているのはプログラミングそのもので、小学校の授業で取り入れられるプログラミング教育と同じではありませんし、小学校で何をするかはまだ固まっていないようです。

Q2:では実際、プログラミング教室ではどんなことをやっているのですか。

教室は大まかには、数時間から1日で完結するワークショップと、定期的に通う習い事に分けられます。

テックパークでは夏休みに実施したサマースクールで、ゲームを作る、絵を描くなど、最初にタスクを決めて、決められた時間で完成させました。数時間完結型の教室でよく使われるツールが「スクラッチ」(表参照)です。こちらが前者のワークショップタイプですね。

これに対して放課後の学童保育は、継続的に教えられるため、子どもがやりたいことに合わせて個別のカリキュラムを組んでいます。ゲームが好きなお子さんの場合、基礎を覚えたらプロのゲームクリエーターが使用し、「ポケモン GO」の開発にも使われた言語「Unity」を教えることもあります。

Q3:何歳から習うのがいいのでしょうか。

例えば、言語を使わない「ビスケット」(表参照)というツールなら、3歳の子どもでも楽しく遊べます。ただ、プログラム言語を学ぶとまでは言えないかもしれません。学ぶ視点で考えると、基本の読み書きができる小学校中学年以降の方が身に着けやすいですね。専門言語を必要としないスクラッチでも、日本語を読むことが必要ですし、キーボードを打てればできることが広がります。

Q4:プログラミングを学ぶメリットは?

たくさんありますが、プログラミングは小さなステップの積み重ねなので、「できた」という達成感が得やすく、どんなお子さんでも「すごいね」と褒めてもらいやすい分野だと思います。

より長期的な視点で言えば、今の小学生が社会に出るころには、社会のデジタル化が進み、IT企業にシステムを外注するのでなく、自社で人材を抱え、開発する大企業が増えていくでしょう。親世代に比べると、プログラミング技術が就職や社会で役立つ範囲は広がるはずです。

Q5:プログラミング教室は、他の習い事に比べて費用が高いように思います。色々なサイトを見ても、安いとは言えない入学料に加え、1回のレッスンで5000円以上の例が少なくありません。

これは、一言で言えば人件費です。ITエンジニアは超売り手市場です。プロとしてフルタイムで働く場に困らないエンジニアに時間を取ってもらうには、本業と同水準の報酬を支払わなければならないという事情があります。

Q6:教室がたくさんあって、どう選べばいいか分かりません。

音楽、ゲーム、アートなど、お子さんにやりたいことがあるなら、それを教えられる人がいるか教室に確かめてください。

今は、私たちのようなIT企業だけでなく、塾のような教育機関など、さまざまな団体がプログラミング教室に参入しています。担当講師のこれまでのキャリアやプログラミング分野で何を成し遂げたのかを尋ねることは、一つの手がかりになるでしょう。

どの習い事にも言えることですが、子どもの熱意が高く、将来の職業としてITエンジニアを目指しているような場合には、高度な内容を教えられる講師がいないと、途中で教室を変えなければならなくなります。そういうお子さんは、最初からIT技術者が教える教室がいいかもしれませんね。

一方、「趣味」「親の希望」の場合は、近所、価格などの要素で選んでも大きな問題はないでしょう。

Q7:今すぐ教室に通わせることはないけど、何かやっておきたいという親が、できることはありますか。

保護者にプログラミングの知識と経験がないという前提なら、親子で学べる以下の3つのツールがお勧めです。小学校低学年までの小さなお子さんなら、言語を必要としないプログラミングツール「ビスケット」。読み書きができるようになったら、「スクラッチ」。この2つは、公式サイトに分かりやすい説明があります。

iPadを持っているなら、アップルが開発したプログラミング言語「Swift」をゲーム感覚で学べる「Swift Playgrounds(スイフト プレイグラウンド)」の日本語版が最近リリースされているので、こちらもお勧めです。

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