超小型人工衛星で量子通信、世界初のNICT実験は何がすごいのか?(ニュース解説)

 情報通信研究機構(NICT)は2017年7月11日、超小型人工衛星を使った量子通信の実証実験に世界で初めて成功したと発表した。量子通信は、光通信を超える大容量データ転送を実現できる夢の通信技術として期待されているもの。実用化はまだまだ先だが、今回の成功はそのための大きな一歩である。

光の粒子で情報を伝達

 実験では、高度600km の低軌道を回る超小型の人工衛星から信号を送り、それを東京都小金井市のNICT敷地内にある地上局で受信した。

NICTが実施した衛星量子通信の実験。高度600kmの低軌道を飛ぶ衛星から信号を乗せた光子を発信し、それを地上局で受信して検出することに成功した。

(出所:NICT)

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実験の概要

 実験は、2016年8月5日の深夜に実施した。22時59分41秒に人工衛星がNICTの地上局に対し744kmの距離に接近。その前後の2分15秒間に量子通信を実施した。使った人工衛星は宇宙関連事業を手がけるエイ・エー・エスが開発した「SOCRATES(ソクラテス)」。50cm角で重さ約50kgという超小型衛星で2014年5月にH-ⅡAロケットで打ち上げた。このSOCRATESに、NICTが開発した質量約6kgの「SOTA(Small Optical TrAnsponder)」と呼ぶ小型光通信機器を搭載し、実験を実施した。SOCRATESは高度600kmの太陽同期軌道を秒速7kmの速度で周回していたが、2016年11月に運用を終了した。

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